多様性・つながり・実践

今日はSEEセミナーの2日目。幸い台風は関西を通過したようです。でも、昨日の夜はずいぶんと風が吹いたようです。
で、会場へ。眠いな。
今日の午前は池上さんの「生徒生殖の健康」です。なんか、池上さん、そこに立っておられるだけで強いオーラを感じます。そして、スライドがまったく進みません(笑)。なにせ、「モントリオール宣言」からはじまるはずなのに、『性のタブーのない日本』の紹介とか、『古事記』の話とか、ひたすら日本における性の歴史を語られます。でもこれ、すごく大切ですよね。おそらく日本の性教育を牽引してこられたからこそ、「日本に性の歴史抜きに日本の性教育は語れないよ」ということを言っておられるんでしょうね。ほんとにそうです。でないと、
「それは海外のことだからね」
でおしまいになってしまいます。
さらに「人権ってなに?」というワーク。「人権ってわがまま」にどう反論するか。それができないと、やはり勝てない。そんなことをたっぷりとやってからの「モントリオール宣言」の説明です。そして
「権利がないと健康はない」
とばっさり。そして、ジェンダーの平等へと流れていきます。でも池上さんはそこで決して「海外の事例」を優先しません。日本の江戸時代のさまざまな書籍をもとにして説明されていきます。そこから「生殖と性別二元制」の話へ。さらに江戸時代の中条流の話なんかを交えながら、避妊の話なんかをされました。なんか、うまくまとめられませんね。
で、午後はわたしの担当「多様性・つながり・実践」です。このお題をもらった時なにを話そうかとずいぶんと悩みました。ましてや、そうそうたるメンバーの中のわたしです。じゃぁ、わたしのアドバンテージはいったいなんだろうと考えた時、「高校で人権教育をしている」しかありません。なので、今回は「学校」と「人権教育」にこだわりながら話をしていこうと決めました。かつて自分が担任として性教育をおこなった経験や人権教育の研究者が人権教育をどのようにとらえているか、そんな中から自分が何をしてきたのか。それがどんなつながりや広がりを持っていったのか。そういう変遷は、わたし自身の変遷でもあります。そんな話のしめくくりは、かつて「暴走機関車」が「わたしのために」言い放った「いつきちゃんはオレなんや」でした。たぶん、あのひとことこそ「多様性・つながり・実践」が結集した言葉だったんだろうな。
みなさんが時間通りにされているので、わたしも1時間ジャストで話を終了。
続いて、野坂さんと吉田さんによる「性の安心と安全」です。ここでもされたのはバウンダリーです。子どもの側からのバウンダリーと支援者の側からのバウンダリー、あるいは支援者自身のバウンダリー、こういうものをどう設定するのかです。とりわけ、子どもが「No」と言えるためにはどうすればいいのか。逆に「No」と言われた子どもをどうするのか。いや、大人もか。そんなワークの最中、わたしは池上さん・東さん・小貫さんと「講師の公的な立場と私的な立場のバウンダリー」みたいな話とか、ミスを犯す権利とかについてもそもそ話。これはかなり楽しかった。
そんなこんなで、長い長い2日間のセミナーも修了です。
おわってから、10人ばっかで近くの居酒屋で乾杯。でも、東京に帰らなきゃならない人もおられます。ちょっとずつ人が減っていって、最後に残ったのは4人。時間を気にしつつも帰れません。が、ここでもバウンダリーが必要です。10時前に解散。その後、なぜかIっぽくんが「行きたい!」と言った天一へ。今日も箸が立つ天一です。

さて、帰ろう。