応答的かかわりと教職員の子ども理解

今日からは期末試験です。でも、台風です。しかも、今日は「生徒指導・人権教育研修会」です。さてさてどうなる。
職場に着いたら副支店長がいたので「今日、どうします?」と聞こうと思ったら、向こうから「今日、よろしく」とのひとこと。あー、中止にする気はないんだ(笑)。「台風やしねー」というと「子どもは関係あるけど、わたしらは関係ない」とのこと。そりゃそーだ。
てことで、カントク2発こなして、さっくりおべんと食べて、駅まで迎えです。駅からあらわめたのは、住友剛さん。住友さんには3年前にしゃべってもらいましたが、今回は職場で話してもらおうと。ちなみに、はじめてお話を聞いたのは何年前だろう。教組の学習会で聞いて「おもしろい人がいるな」と思ったのでした。でも、その頃は「子どもの人権はまだ先の課題」と思ってました。なにせ、目の前にムラの子や在日の子がいて、「そっちだよ」と思ってましたからね。もっとも、「子」である限りは「子どもの人権」のターゲットなんですけど、それはそれってことで^^;;。
そんなわたしが、なぜ3年という間隔ではあっても住友さんに来ていただきたいと思ったかというと、まさに「同和教育の継承」なんですよね。
もちろんマクロレベルでいうなら志水さんのスクールバスモデルとかあるんだけど、個々の教員にあの話をしても「だからどうなん」ってなっちゃう。簡単に言うならば「マネージメント」の話なわけです。いや、小中なら可能かもしれないけど、教職員数が多く、しかも組織的にバラバラで、しかも価値観もバラバラな京都の高校現場では、あんなのは支店長レベルしか実現できません。もちろん、それをサポートすることは、わたしたち「ヒラ」でもできますけどね。
それに対して、住友さんは「リフレーミング」なんですよね。わたしたちの枠組みを少し変える。それは個々の教員ができる個人の営みです。で、いま、それがうちの職場には必要なんじゃないかと。なぜなら、「自ら考える子ども」を育てたいと言ってるんですから、「考えを聞く」ことが大切なんですよね。
そして、それが「応答的かかわり」なわけです。

てことで、講演開始。
とにかく、話がていねいです。レジュメも親切。読むだけで講演内容がわかります。てことは、なにを話しするかが完璧にできてる。しかも、facebookで昨日の夜というか今朝方つくられたのはわかってますから、つまり毎回対象で変えておられるわけです。すごいな。そして、話がわかりやすい。ていねいなレジュメをていねいに追って行かれます。そして、終了が、ジャスト90分。さすがは大学教員!
と思った瞬間に、「あー、学部生相手に話をしてる感じね」と納得。まぁ、大学卒業して何年も経ってる高校教員なんざ、学部の教養レベルですよ(笑)。
てことはおいといて。

結局、「応答的かかわり」ってなんだということです。
わたしの直感でいうなら、例えばスキーですね。スキーは雪面を無視してできるスポーツじゃない。だから、常に雪面からのフィードバックに神経を研ぎすませて滑ります。あるいは、バイク。バイクも路面とタイヤの摩擦で走ってるわけですから、その摩擦の変化に敏感でなきゃ走れない。相手となるものの変数の変動域が大きくなればなるほど、その変化に敏感でなきゃ成立しない。そこが、できるだけ変化をなくして一定の条件でやろうとする他のスポーツとの違いです。
で、生徒はというと、こんなもんPDCAサイクルなんて「なにそれ?食べもん?」くらいに条件は変動します。しかも、マスとしての生徒と個々の生徒もまったく違う。これを十把一絡げにして「生徒たち」ととらえて、なにができるかということです。このことを言い換えるなら、「子どもを色眼鏡をかけて見るな」ということです。あたりまえのことです。
そう考えると、やはりあたりまえのことをあたりまえのこととしてやるという、あたりまえのことなんですよね。

でも、そのあたりまえのことが、なかなかできない。あるいは、したいけどさせてもらえない。そんな「わたしたち」が、元気をもらえた講演だったことが、みなさんの感想文を読んで伝わってきました。
もっとも「理想論」とか「いい子でしか成立しない」とかいう批判を書いておられる方もおられましたが、あの人「かば」の舞台の中学校でアドバイザーやって立て直すのに協力してるんだよね。なので、きわめて実践的な話なんだけどね。まぁでも、「かばの舞台」と言っても、わからんだろうけどね…。

そうそう。質疑応答の中の「アクティブラーニング」の話もおもしろかったな。「どこがアクティブになっているのか」という問題提起。「アクティブな沈黙」は「ペラペラの動き」よりも頭の中はアクティブ。
それですよ、それ。だから、ワークショップはキライなんですよね(笑)。

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