練られたワークの力

今日はp4cのある日です。
この間、名前のワークをやったり、パワーグラフのワークをやったりしてきました。で、今回は「ソクラテスの対話ゲーム」のワークです。
準備は先週、「絵本のワーク」でやりました。その時の目標は「問を立てる」でした。「不思議」から「個別の問」へ。そしてそれを一般化する。
みんな「難しかった」という感想を書いていました。
今日の「ソクラテスの対話ゲーム」の目標は「問答」です。「問うソクラテス」と「答える若者」そして「記録するプラトン」の3人でワークをすすめます。
事前にネットで調べたらこんなのがありました。中身を読むと、高校生がすごく楽しんでやってるみたいです。で、どこの高校かなと思ったら…。
「Rぽたんの出身校かよ!」
そりゃできますわ。絶望感が去来しました。
でも、やるしかありません。
まずはみんなで先週つくった問の中からやりたいものを選びます。その後、とりあえず、わたしとふぁいあーさんで模範演技をしました。と、子どもたちの反応がすごい。姿勢が変わりました。
で、わたしから「ソクラテスのコツってありますか?」と振ると、ふぁいあーさんがいくつか出してくれました。

  • 例えばどんなものがありますか?
  • どうしてそう考えたのですか?
  • その考えはこうですか?ちがいますか?
  • だとしたら、あなたの考えはこうですか?
  • あなたの意見に対してこんな意見もありますが、どう考えますか?

これらの「質問」を組み合わせながら「問答」を進めていきます。
で、いざワーク開始。
あちこちで楽しそうな会話が進んでいます。びっくりです。できるんだ!
感想を読んだら、これがおもしろい。
「質問したら、ちゃんと答えてくれるのがよかった」
考えました。てことは、普段の会話ではちゃんと答えてくれることが少ないんだ。じゃ、どんな会話をしてるんだろ。

終わってからふぁいあーさんと振り返り。
ソクラテスの対話ゲーム」が優れているのは、おそらくは、わたしたちがふだん3人以上の会話でやっている「役割」を分解して、それを固定していることなんでしょうね。
わたしたちは、ふだん、なにげなく「問う」「答える」「聴く」を瞬時に切り替えながら対話を進めている。でも、それってほんとうはすごく高度な技術です。そこで、役割を固定して、一問一答にして、質問のテンプレをつくる。すると、「切り替え」をせずに、その役に徹することができるから、案外出来てしまう。
「名前のワーク」でやった「名前の詩をつくる」もそうだったけど、「やりかた」をきちんとふめばできるという経験が、次につながります。そんな「できた感」を少しずつつないでいけば、少しずつ複雑なこともできるようになる。

やはり10年以上かけて練り上げられたワークには、子どもたちを楽しく鍛える力があるなって、あらためて思いました。
さてと。来週はもう一歩先へ。でも、焦らない。