いま読書会で読んでいるのはデューイの「哲学の改造」なる本です。
大学時代、哲学に興味を持ちそうになって、でもニーチェを10ページであきらめた(笑)わたしにとって、たとえ薄い文庫本とはいえ、はじめて哲学にかかわる本を読みすすめる機会なわけで。
にしても、自分の基礎学力の不足を感じます。センセの解説を聞くと「なるほど」とわかるんですが、聞かないと間違った解釈をしていることが多々あります。
基礎学力の不足は、何と言っても、時代背景がわかっていないことと、そこに登場する人たちについての知識が不足していること。後者もある意味歴史ですから、結局、歴史についての知識の不足が、どうやらネックらしいです。
もっとも、「哲学の改造」なる本は、哲学の成立から変遷について書かれているので、歴史がわかっていないと理解できないのは当たり前です。さらに、「おべんきょ」のテーマが「西洋教育史」だったりするので、「そもそも歴史じゃん!」という(笑)。
ただ、ひとつ自分の中で「やったことがこんなところで役に立ったんだ」と実感するのは「部落史の見直し」に触れたことです。
価値観というのは、誰かが突然つくりだせるものではなく、古い価値観を引きずりながら、少しずつ変わっていく。「歴史は重層的である」という考え方は、わたしのものの考え方に大きな影響を与えているし、その観点を持ち続けていれば、デューイの述べる、デューイならではの「哲学の変遷」の理解も少しは容易になります。
にしても、おそらくデューイのものの考え方そのものを知るためだけならwiki先生にでも聞けば、とりあえず即座に教えてくれるでしょうけど、ひとつの本を読み進めながら、その著者の思想をゆっくり理解していく作業は、もしかしたら意図的に行うのはわたしにとってのはじめての経験です。ようやくそれが「楽しい」と思える精神年齢になったのかな(笑)。
にしても、17世紀が天文学(コペルニクス)、18世紀が物理学(ニュートン)、19世紀が生物学(ダーウィン)ときた時、20世紀の哲学のありように影響を与えた象徴的な学問はなんだったんだろう…。