で、やってきたのはF市にある川口公民館。ここ、ほんとうに懐かしい場所なんです。かつてF市にはEHC(Human Enjoy Club)というのがあって、このグループ、人権をテーマにいろんな活動をしておられました。ここにひとりだけ在日の子Oさんがいました。Oさんは、このグループですごく活発に活動をしていて、すごく楽しんでいました。でも、在日はたったひとり。いつも
「なにかが違う」
と感じ続けていたそうです。そんなある時、たまたまわたしとの出会いがあった。で、
「同じ在日の子と会わせる」
と約束して、それからしばらくして、京都在日外国人生徒交流会のメンバーを連れて、この川口までやってきました。Oさんとは、それからもずっとつきあいがあります。
てことで、その川口でのお座敷ですから、当然気合が入ります。
はじまるまでの時間、5年ほど前にはじめてわたしに
「F市でしゃべらないか」
と声をかけてくださったS見さんとダラダラ話。この人、おそらくすごい人脈を持っておられます。ひたすら
「へー、ほー、なるほどー」
という時間を過ごしたところで、開始時間が来たので会場へ。
む…。みなさん、ゆるい笑顔ではありますが、笑い声はありません。さて、どうしたものか…。しかも、与えられた時間は1時間半、しょーもないネタをくる時間がありません。しゃべりながら、どのネタをカットして、どのネタを短めにして、どのネタを残すかを考えます。目の端には常に横の壁に掛かった時計の針があります。
「そんなMが変わったのは、ある作文との出会いです」
のくだり*1から作文の文章を読んだところで、はっと気づきました。
「あの、わたし、なんの話をしていましたっけ?」
ここでようやく爆笑です。いや、こっちは笑えないって。あれ?あれ?あれ?脈略がつながらない。まずい…。本来読まなくちゃならない作文を飛ばして、あとで読むはずだった作文を読んでしまっていたのでした。思わず
「あ、話を飛ばしてしまいました。これ、あとで読む作文なんで、忘れてください」
と適当にごまかして、元にもどります。ふぅ、うまくごまかせた…。わけがない!
それでもなんとかかんとか最後まで話。
それでもみなさん、すごく優しいです。はじめは本当に固い表情でしたが、終わる頃にはすごく柔らかい表情になっていました。で、お礼の印にいつもの「ネタ」です。と、あるおじさま曰く。
「テレビであんたを見たよ。そのネタもテレビで見た」
いや、もう、ね。完敗でした。
*1:聞いたことのある人だけ、「はぁ、あの話か」と思っておいてください