で、お散歩

山陰地方には「未指定」と言われる地域がけっこうあります。簡単に言うならば、「同和対策事業」を受けるための「地区指定」を「いらない」と拒否した地域のことです。ですから、施策の手がまったく入っていません。
今回そんなところに行かせてもらうこともできました。
なんというか、息を呑むという感じですね。区画整理はまったくされていないし、空き家もあって、高齢化がうかがわれる感じです。「施策を受ける」ということは、それと引き換えに「うちはムラです」とカムアウトをすることでもあります。そのどちらをとるかという中で、「クローゼット」を選択せざるをえなかったのもまた、差別のあらわれなんでしょうね。「施策を受ける選択」をしたムラをその後に見ただけに*1、そのことを強く感じました。

てなことをしていたら、あっという間に出発の時間です。大急ぎで駅まで送ってもらって、いっぱいおみやげをもらって、さぁ、京都に帰りましょう。
また来たいなぁ。ニューハーフの子の「その後」も知りたいし…。

*1:というか、知っているムラはほとんどがこちらの選択をしています

高友

「高友」と聞いてピンとくる人は、かなりマニアです*1。「高友」とは「高校生友の会」の略で、部落解放運動の中では、とてもポピュラーなものです。まぁ、すごく簡単に言ってしまうと、部落の「高校生交流会」ということになります。場所によっては、あるムラ単体でやることもあれば、地域単位でやったり県レベルでやったり、さまざまです。
で、今日は米子市単位の「高友」に参加してきました。
今日のゲストスピーカーは、徳島の青年です。
すごく絵のうまい人で、紙芝居を使ったりしながら、すごくわかりやすく人権についての話をしてくれます。それもそのはず、小学生相手の指導員をした経験があったり、現在は中学校のバスケ部のコーチをやったりと、子どもたちにかかわり続ける「地域のおじちゃん*2」として活動をしておられる人です。
しばらく話をして、いよいよオチかなぁと思ったあたりで、ふと後ろを見ると、主催者の方が「30分のばして」とか書いた紙を出しています。すると、ちゃんと30分つなぎます。それって、ほとんど落語の世界じゃないですか。
でも、その余分な30分が、すごくよかった。ここ3年間かかわってこられたバスケの子どもたちの姿をいきいきと話して下さいました。「人権についての話」は、ある意味誰にでもできるけど、子どもの姿を通して語られる言葉は、その人にしかできないし、また別の伝わり方がありますね。

で、1時前からお食事会。
「ビール〜」
と騒いだら、
「はい」
と出してもらえました^^;;
そうそう、ニューハーフの子にも
「参加しようよ」
と声をかけていたので参加してくれました。
やはり、「昼の人間」とのつながりって大切なんだと思うんです。でも、自己紹介の時に、ちゃんと「営業トーク」をしてくれました。ちょっとずつプロになっているんだなぁ…。
「高友」には大学生や青年部の人たちも「お姉さん/お兄さん」役として参加します。そういう青年たちの姿が、ムラの子どもたちにとってのロールモデルになるんです。そんな青年たちとニューハーフの子が
「アドレス交換しよ〜」
とか言っているの、かなりうれしかったです。

*1:と断定していいのか?

*2:お兄ちゃんに見えるけど