いや、別に自分が「わかりやすい文章とは」とか考えている訳じゃなくて…。
ちょっと自習監督に行ったクラスにあった国語総合の教科書をなんとなく見ていると、そういう単元があったんです。で、修飾関係がどうとか、短い文章がどうとか、略語がどうとかいう話の中に、「カタカナ言葉を使いすぎるとわかりにくい」という項目がありました。で、例としてあがっていたのが…
「ジェンダーアイデンティティ」
ですよ!笑いました。
ちなみに、これを「わかりやすい言葉」に直すと
「社会的性同一性」
と書いてありました。
なるほどなぁ…。
なるほど、「社会的」…。でも社会からの性別役割期待に違和感がある人(なんぼでもいる)は、それだけならGIDではないから。ここに意味のねじれというか、わかりにくさがあるような…。
ところで先月の新聞の投書欄に、「自分は故郷同一性障害かもしれない(生まれ育った土地に愛着があるので)」という在日二世の人の文章があったのを思い出しました。
ジーニアス英和大辞典によれば、「gender identity = 自己の性別認識」とのこと。
中学のときに、保健で「自己同一性(identityの訳語)」を習ったとき、なんやねんそれは、と思った覚えがあります。identityを同一性と訳すことにこだわると、余計に分かりにくい文章になるような気がします。
>社会的性同一性
日本語に置き換えてますます意味がわかりにくくなる、
いかにも学者が考えそうな訳語ですね。
私は、
gender identity =自己の性別認識=性自認
で、通しています。
というか、きちんと「社会的」という言葉を、あえていれているあたりがおもしろいなぁ、と。
というか、教科書に例示されるほどポピュラーな言葉だったんだ、というあたりが…。