で、研究授業

なんで↑みたいなことを書いたかというと、とうぜん今日は研究授業をやったわけです。いちおう出さなきゃならないので、授業展開案も出しました。ま、30分ぐらいでちょこちょこっと書いただけですが…。教科書の該当部分のコピーは、サービスとしてやらなきゃなりませんわな。
ただ、気が重い…。ここ数日のストレスのうちのひとつは、確実にこの研究授業でした。↑では、「よそいき」を否定している書き方をしていますが、下手すると授業が成立しないかもしれない危機感を持っていたら、やっぱり「この時間ぐらいはよそいきでいってくれ〜」などと、ふと思ってしまいます。こんなん、ほんとうに久しぶりです。

ところで、「学び」には表面的には2種類あるように思います。静的な学びと動的な学びかな。
「静的な学び」っていうのは、こういうの…。
「静まりかえった教室。響くのは教員の声、チョークが黒板を滑る音、そして鉛筆の音。予定された内容をすべてこなして終了」みたいな。
「動的な学び」っていうのは、こういうの…。
「特に静まりかえるわけでもないけど、教員と生徒の間で会話がある。わからなければ、互いに教えあったり教員に質問したり。だから展開案通りには授業は進まない。でも、ごく短時間集中する瞬間はある」みたいな。
効率よく知識を伝達するためには、前者のほうが圧倒的にいいです。そして、そういう時間を望んでいる生徒もたくさんいます。でも、そういう教室が成立するためには、クラスのメンバー全員にそうとうなモチベーションが必要だと思います。で、ウチの学校ではそんなの望むべくもない。なので、「動的な学び」をねらわざるを得ません。

で、思いっきり迷いながら、授業突入。
「へ?」
みんなえらい積極的です。まさに「動的な学び」の空間です。子どもたちがそうであれば、わたしのパフォーマンスも引き出されます。わたしがパフォーマティブな授業をすると、また子どもたちのパフォーマンスも引き出されます。すると、「学び」からはずれている子どもの顔にすぐに気がつくので、フォローもできます。
1時間終わって、あのストレスはなんだったんだと思うような経験ができたことに気がつきました。

しかし…。疲れた。パフォーマティブな授業は、体力使うわ(笑)。

「研究授業」考

この時期、学校は「教育実習」の季節です。で、それに並行して、教員も授業を公開する、いわゆる「研究授業」があります。
これ、わたしはさほど抵抗がないのですが、いやがる人が多いんですよね。まぁたいていの場合は「見られるのが恥ずかしい」なんだと思います。で、「恥ずべき授業をしているか」というと、ぜんぜんそういうのじゃありません。それぞれの教員は、それぞれの経験にもとづいて自分の創意工夫をこらして授業をしています。あたりまえです。プロですから。たぶん、学校の中というより「美しい国(笑)」の「美しい価値観」として、そういうことは「一歩引いて…」というのがあるんでしょうね。で、「美しい価値観」を持っていないわたしみたいな人間が「抵抗ないけどなぁ…」と引き受けてしまうわけです。
ただ、いやがる気持ちがわからないわけではないです。というのは、めんどくさいんですよね。「授業展開案」というペーパーを印刷しないといけないんです。そこに「この教科の目的は〜」とか「この単元の目的は〜」とか「このクラスの生徒の情況は〜」とか、まぁさまざまなことを書かなくちゃなりません。たぶん、そんなの誰も読んでいないのにね(笑)。だって、同じ教科の人間だったらそんなもの書かなくてもわかるし、別の教科の人間だったらそんなもの書いてもわからない。さらに、「生徒の情況」なんて、同僚であれば書かなくても誰もが知っているわけです*1
たぶん、「展開案」というやつは、「お前書いてみ」みたいな感じのものであり、生徒の状況を知らない人に向けて書くものなんだと思います。つまり、「外部の人間に指導を仰ぐ*2」ためのものなんですね。まぁ、そういうのはわたしもキライです(笑)。
わたしが「ええやん」と思う研究授業(公開授業)は、そういう格式張ったものではなくて、互いに気軽に授業を見に行けるもの。他の人の持っているテクニックに学び、自分の持っているスキルを他の人にも公開するもの。そうすることによって、みんなのスキルアップがはかれると思うのです。で、もしも授業を批評するとするならば、生徒の「学びの状況」にもとづいて、それをどう引き出したか(あるいは、引き出すのに失敗したのか)というあたりを論議をする*3
わたしが考えるもっとも非効果的な研究授業のパターンはこういうのです。

  1. 授業案を書くためにたんまり時間をかける
  2. よそいきの教員とよそいきの生徒→よそいきの授業*4
  3. 終わってからの格式張った授業研
  4. 中身は、まずは担当者から一言
  5. 続いて沈黙(笑)→しかたないので順番にあてる→すると意見が出てくる*5
  6. 最後に指導主事からの「助言」

あー、時間がもったいない(笑)

*1:知らなければ、それは知らない教員のほうが問題

*2:たとえば、教育指導主事とかね

*3:このあたりは、佐藤学のパクリです(笑)

*4:お客さんがいるから、多少はしゃーないですけどね

*5:最初から意見を言おうよ!