実は、全国在日外国人教育研究集会・神奈川大会・第1日目

交流会の2日目は、今年は全国在日外国人教育研究集会の1日目、全体会と重なっています。お昼頃に話しあいとかを終了して、全体会の会場へ移動。その後、全体会で2日間の論議の発表を生徒たちが行いました。ステージの上に、約100人の在日外国人(含む、日本人)の生徒たちが、一晩語り尽くして本当に疲れながらも、充実した2日間を過ごしたことを感じさせる姿が並ぶ風景は、やはり感動的ですね。わたしたち教員も、この瞬間を見るために1年間かけて準備をしていると言っても過言じゃない気がします。
生徒たちのステージのあとは、地元報告です。チャンゴありブレイクダンスありラップありのパワフルなステージです*1が、疲れ切っているために、ロビーで交流会の参加者達とダラダラ冗談を言って過ごしました。地元のみなさん、ごめんなさい。って、誰も読んでないか…。

*1:たぶん、参加者はついていけてない気がする(笑)

状況から再構築する感性

昨日の夜、教員のミーティングで出た話を実行委員の生徒たちに伝えたのですが、どうやらうまく伝わっていなかったようです。というか、やはり司会はむずかしい。
当然一人一人の持つ「しんどさ」には違いがあります。あるいは、そのしんどさを「しんどい」と感じるかどうかについても違いがあります。このふたつの「違い」が、自分の経験を時として「取るに足りない経験」「語るに値しない経験」としてしまうことがあります。その結果「なにかあった?」と司会がたずねても、誰もなにも答えないということが起こってしまいます。
自分の置かれた状況や経験から、「なにが理不尽であるのか」ということを感じとるには、やはり「感性」が必要なんだと思いました。その感性を磨くためには、自分と自分のまわりのことを分析できる力が必要です。でも、「理不尽な状況」から自分自身を防衛するために、そういう力がマスクされてしまう。その力をとりもどすことが必要かなぁと思いました。

タイミング

この手の交流会で、やっぱり困るのはお風呂です。部屋についてはすでに問題(笑)は解決しているんですけどね。
実は、今回の交流会では、部屋割りについて、性別欄に「男じゃない*1」と書いてあったにもかかわらず、男部屋にされていました。「はぁ…」と思ったのですが、友だちの女性教員達が「あれ?部屋割りが違うやん」「うちの部屋に来たらええやん」と次々に言ってくれて、無事、女性部屋に入れました*2
ところが、お風呂はやっぱりこうはいきません。みなさんには「あ、台所のシンクに水をはって入るし」とか言っていたのですが、やっぱりしょせんは無理とあきらめていました。ところが、プログラムの隙間で見事に誰もお風呂に入っていない時間がありました。すぐさまお友だちの「取り立て屋さん(なつかしい…)」が「前で見張っていたげるし」言ってくださったので、ご厚意に甘えて久しぶりに大浴場にはいることが出来ました。うん、めっちゃ気持ちよかった。

*1:これが最近のわたしの性自認

*2:部屋割りをした人は知っている人なので、「まぁ、わたしらみたいな人間は階段の踊り場がいちばんふさわしいんですけどね(笑)」などと言ったのですが、どうも皮肉に聞こえたみたいで、えらい謝ってはりました。

中間総括から・2「日本人が参加することの意味」

もうひとつ提起されたこと。今回初めて「ルーツ別交流会」を行ないました。参加者のほとんどは、自分と同じルーツを持つもの同士の出会いを喜んでいたようです。それが最も大きくあらわれるのは「言葉」。渡日からせいぜい数年しかたっていない生徒たちにとって、母語で話しあい冗談を言いあう機会はとても貴重なものです。わずかな時間ではあっても、そうした時間が設けられたことの意味はとても大きいかなと思います。
しかし、その一方「ルーツ別交流会」は2種類のマイノリティをつくってしまいます。
ひとつは、圧倒的に少数のルーツを持つ子どもたちです。せっかく「仲間」と出会いに来たのにやはりいなかったということの絶望感を、出会う機会を得た他のルーツの参加者の姿が倍増させると思います。
もうひとつのマイノリティは「日本」というルーツを持つ生徒たちです。「自分たちはなにを語ればいいのか」というとまどいが、そこにあります。いや、おそらくは、なんの働きかけもなければ、そう思ってしまうのはしかたのないことだと思います。
そんな、「日本というルーツを持つ生徒」の交流会にも、実は貴重な意見があったようです。それはこんなものでした。「自分は友だちが中国人であることを知っているんだけど、その中国人の友だちは自分が知っていることを知らない。どうやったら友だちが自分に話をしてくれるだろうか」。
ここにこそ、ひとつの本質があるように思いました。

中間総括から・1「しんどさを語ること」

夜に教員の総括。印象に残ったのは「司会をしている実行委員の生徒たちが、なんとか明るく軽くしていこうとしているけど、自分たちの経験をそんなふうにしゃべれるのか?」という提起。そりゃそうです。なにせ、オーバーステイや血縁関係にないから在留資格を取り消されて*1入管に収容とかいう経験までもっているような子らです。そんなに明るく語れるわけがないです。というか、他の場所ならともかく、「この場所」ならばそんなこと*2に気を使うことなく、しんどいことは「しんどい」と、素直に表現をしてもかまわないんじゃないかということなんです。
「しんどいことを明るく語る」というのがわたしの芸風*3ですから、これって逆行すると言えば逆行するのですが、たぶん、ほんとうにしんどいことはたぶんしゃべっていないんだろうと思います*4。なので、いまほんとうにしんどいと思っていることは、やっぱり明るくはしゃべれない可能性があります。それを無理に明るくすることは、たぶん不可能なんですよね。てか、きっと無理をしているのが伝わってしまうだろうと思います。それって、逆に痛々しいです。
今回の提起をされた方は、たぶんその痛々しさを感じとられたんだろうと思います。
「仲間」に対して、しんどさを隠さないということ、そのしんどさをマイナスに受けとめるのではなく、プラスに転化していける関係性(あるいは、「場」)って、やっぱり大切なんじゃないかなぁと思いました。

*1:日本の在留資格は「血統」に依存しています。なので、日本人と血縁関係があれば(たとえば実子)在留資格が認められますが、「連れ子」の場合は血縁関係がないので、たとえ親子であっても在留資格が認められないことがほとんどです。しかし、「家族=血縁」というのは、戸籍制度に基づく価値観であって、かならずしもこのような価値観は一般的ではありません。でも、入管はこれらをすべてひとくくりに「偽装」として、在留資格を取り消して、強制収容・強制送還の対象にすることがほとんどです。

*2:「明るくしなくちゃいけない」みたいな。

*3:というか、京都解放研の作風

*4:自分のことなのに「思う」というのは、自分では意識していないからなんですよ。

全国在日外国人生徒交流会・第1日目

今年の交流会の開催地は神奈川です。でも、参加者はみんなプアです。関西では、できるだけ参加者の必要経費はなんとかして負担しようとしているのですが、交通費があまりにも多くて無理。ということで、この間盛りあがってきた交流会も今年はしぼみそうな雰囲気でした。でも、やっぱり生徒たちは「行きたい!」と言います。そこで最終的に考えた奥の手は、バスを仕立てるということでした。とにかく、できるだけ生徒の参加者を増やすために、引率教員は随行する車で行くというふうに設定をしました。で、わたしも車部隊。神奈川まで車か_| ̄|◯
ところが、集合場所まで行くと、生徒の欠席が若干名あったとのこと。ラッキー!てことで、バスに乗せてもらうことにしました。
神奈川の会場に着くと、ニンニクとかトマトとかのいりまじった、すごくいいにおいがしてきます。関東の参加者が、それぞれのルーツの料理をつくっています。もう、すごい熱気です。
最近は交流会は関西であったので、フルに働くことが多かったのですが、今年は関東に人たちが全部やってくれます。おかげさまで、ずいぶんと楽です。どっかでなにかの穴があった時、そこのサポートにまわる程度ですみます。あとは、他の引率と一緒にダラダラと話をしていました。

2人会はむずかしい

午後は水口町でま゛さんと2人会。最初のウチは掛けあい漫才をしようと話をしていたのですが、考えてみると2人ともピン芸人、しかも漫才をしようにもふたりともボケなんで、つっこみのないままに延々と話が延びそうです。なので、漫才は断念して、2人会にすることになりました。
とりあえず3時間もらっているので、ま゛さんからライフヒストリーを1時間、わたしからそれを解題する内容で1時間、最後に2人でまとめを1時間するという時間設定をしてみました。
ところが、午前のスケジュールが延びたということで、午後の時間は2時間40分に減っていました。時間がオーバーフローする悪寒…。
で、2人会の開始です。
ま゛さんは、淡々と細かくネタを振ってきます。ネタの種類を変えながら、どの人にもまんべんなくウケるよう振っていくあたりは、わたしにはマネのできない話術です。しかも、ネタ帳もきちんとつくっておられます。アドリブが信条のわたしには、これもまたマネができません。ひとしきり話を振ったところで「お後がよろしいようで」でちょうど1時間。すごいなぁ。
休憩後、わたしの番です。
基本的にわたしは「基礎知識」的な話をするはずだったのですが、自分のことをなにも話さずにというのは無理です。なので、自分の話を織り交ぜながら「重箱」について説明しました。ところが、アドリブ人間の最大の弱点が露呈していきます。小ネタで終始すればいいものを、大ネタをいくつか入れてしまったために、後半になればなるほど時間がタイトになります。で、結局、ま゛さんにあやまりながらも、10分間のオーバー。まとめの時間が15分しかありません。
このタイトな時間の中で、ま゛さんはいつものプリントできれいにまとめ。わたしもなんとかまとめて5分オーバーくらいでなんとか終了。はぁ、まいった…。
終了後、近くで少し時間調整をしたあと、懇親会。みなさんの注文を聞いていると、みなさんノンアルコール系の飲み物です。アルコール系はわたしだけ。最近は喫煙者が肩身がせまい話は聞きますが、飲酒者も肩身がせまくなってきているんですね。寂しい…。
懇親会の途中から、研究会の事務局長(たぶん)も参戦。この人がまた、「造花はダメ」というええ感じの人です。脳みそが裏返りそうな話*1を連発しながら、素面の懇親会は大盛りあがりをしました。
帰りは、草津まで車で送ってもらえることに。助手席にま゛さんに乗ってもらって、わたしは後部座席。おかげさまで寝られました。駅に近づいてふと目が覚めると、検問です。思わず緊張するのはなぜ?それでも無事、検問を通過して、ようやく駅にたどりつきました。終電より1時間ほど前に家に帰着。寝よう。あしたはまたまたハードやしなぁ…。

*1:ふくらみはじめた胸がタンスにあたると痛いとか、ノーブラだとこすれるとか

今日が佳境、合宿・第2日目

昨日は結局一日遊んだので、合宿らしい内容は今日しかありません。
まずは、朝起きたら、朝食前の「発声練習」。そして朝食。朝食後は「機材講習会」。
考えてみると、1年生にきちんと機材の話をしたことがないんですよね。どんなにすぐれた企画があったとしても、それを表現するための技術がないと番組化することができません。来年のコンクールへ向けて、プチ番組づくりをやってみました。最近この手のことをやっていなかったので、わたしなりにおもしろかったです。
あっという間に午前3時間ぐらいが過ぎてしまって、昼ご飯。
2日目午後がウチの放送部らしいメニューになります。
まずは、野外活動です。まわりを見渡すと、あまり高い山がありません*1。「う〜ん」と考えてポンとひざをたたいたのが「鷲峰山」。東海自然歩道も通っていることだからたいしたことはないだろう、と。で、行ってみたらエライ道でした。なにせ、入り口は茶畑です。お茶の葉っぱにふんだんに日の光を当てるためにひとつひとつのお茶の木に段差があります。ということは、斜面が急ということです。そこを道は直登しています。これはかなりきつい…。
それでも、約2時間。登り続けたら、いつかは頂上に着きます。頂上には心地よい風が吹いています。風に吹かれながら視界の開けた方を見ると…。向こうに水面が見えます。「あの池、やたらでかいなぁ」と思ってよく見ると、琵琶湖でした。
去年はひどい目にあった山登り*2でしたが、今年は大満足でした。
夕食後は、代々伝わる秘密の儀式です。あまりにも秘密なので、いくらここでも書くわけにはいきません*3ので、この話はここまでにします。
儀式のあとは、再び卒業生たちとの交流会。みんな忙しい中を来てくれました。ほんとうにありがたいです。でも、夜1時をまわったあたりでとうとうダウンです。

*1:例年、山登りをしています。一番高い山は…、大江山だったかなぁ。

*2:雨上がりのためか、ものすごい数のヒルでした。なにしろ、歩いていると下の方からどんどんわきあがってきて、はらってもはらってもきりがないほどでした。

*3:部員が見ている可能性が大なんですよね(笑)。