場の持つ力

午後からは京都・在日外国人生徒交流会。
普段は日曜日の午後にやるんですけど、今回は合宿形式でやってみようと。さらに、卒業生にも呼びかけてみようと。さらに、京都に限定せずに呼びかけてみようと。等々、ちょっと趣を変えてみることにしました。
さすがに長丁場ですから、集まりもダラダラ。それぞれがそれぞれの用事を済ませてからやってきます。でも、それはそれでいいんです。「◯時集合!」で集まってパシッと交流会をするのも、それはそれで集中していいんですが、緩く集まるのもいいのかもしれない。
ダラダラと買い物を済ませ、ダラダラと段取りをし、ダラダラとつくりはじめ、結局最初の集合から5時間後に晩ご飯。このころには兵庫からもずいぶんと遊びに来てくれていました。
しばらくみんなでごはんを食べたあと、自己紹介。基本的には「全国」に参加したことがある人たちなので、ほんとうにしっかりと話をされます。
そんななか、やっぱり「あぁ」と思ったのが子連れで参加してくれていた京都の第1期メンバーの自己紹介です。
結婚をきっかけに日本国籍をとらざるを得なかったその人に、子どもがある時聞いたそうな。「お母さんはなにじん?」。突然のその問いに、一度は話を流してしまったそうな。子どもには伝えなくちゃならないと思っていたけど、それなりの「シチュエーション」で伝えたいと思っていた。だから、逆に「準備」ができていなかったみたいです。ところが、それからしばらくして、再び子どもから同じ問いが出てきた。その時覚悟を決めて、自分のことを小学生の子どもに向かって話をしたとのことです。
その話を聞いて、ふとその第1期メンバーの変化に気づきました。在日の若いオモニになっている*1。おそらく楽になったんやろなぁ。おそらく隠さなくてもよくなったんやろなぁ。
そう思った時に、この交流会を16年続けてきてよかったと思いました。
交流会があろうとなかろうと、その第1期メンバーが在日であることに変わりはない。でも、もしかしたら「隠さない生き方」があることを知ったのは、その子が交流会に参加したこともひとつの契機になっている可能性がある。「隠さずに生きる方法がある」ことを知って隠して生きることと、「隠すしかない」と思って隠して生きることの間には、表面は同じかもしれないけど、大きな差があると思います。
さぁ、そのメンバーの子どもは現在小学生。最低限この子が高校を卒業するまでは、やっぱり続けなくちゃならないよなぁ。メンバーに力を与え、メンバーから力を与えられ。

*1:ってどんなんやねんと聞かれても、よくわからないのですが(笑)